「認知症の親が所有している不動産を、身内が代理で売却したいのに、事前の準備を怠ってしまったために、いつまでも売却できずに、迷惑空き家になってしまった」
こんな、はなしを耳にしたことはありませんか?
今回は、2021年6月28日に認知症高齢者と不動産売却について、NHKが紹介した記事を見かけたので、私が実際にお会いした相談者の事例をご紹介します
<事例紹介>
85歳を超えた母親は自宅で生活が徐々にむずかしくなり、昨年末に高齢者施設に入居しました。
それまで母親が住んでいた家は、しばらくそのままで放置していたのですが、2ヶ月ごとに換気のために訪れていたのですが、少しづつカビのにおいが気になり始めました。部屋の片付けも、母親と相談しながら、少しづつ整理すればいいかな、と思っていたのですが、手つかずの状態でした。
私たち(息子夫婦)が、この家に住む考えはなかったので、いつかは売却して
介護費用を捻出しようと考えていましたが、今すぐ売却する必要もなかったので、しばらく「空き家」にしていました。
今年の春、母親が認知症と診断されました。
急いで家を売却しなければと思い、大手の不動産業者に相談したところ、母親が認知症であれば、売却はできないと言われ、断られてしまいました。
そこで、知り合いに不動産業者を紹介してもらい相談してみると「診療情報提供書」を準備するように言われました。
日頃より、施設でお世話になっている医師に「診療情報提供書」を用意してもらい提出すると「アルツハイマー型認知症」の症状と服薬情報が掲載されており、やはりこのままでは売却できないと、言われました。
現在、不動産業者から弁護士を紹介され、成年後見制度の利用のために準備を進めています。
▲ここまで——
NHKの記事には、このように書いてありました
(以下:引用)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210628/k10013107761000.html
「後見人をつければ売れる住宅でも、使い勝手が悪いことから、成年後見制度を利用せずに、空き家のままになるケースが多くあります。空き家のままだと、親が頑張って作った財産を介護費用に活用できないし、地域にもよくない影響を与えるので、空き家にさせないためにも、親が元気なうちに話し合って対策をとってほしいです」と話しています。
親が元気なうちは、対策がとれます。
大きく、2つの方法があり、ひとつは「家族信託制度」。もうひとつは「任意後見人制度」です。
個人的には、家族信託の方が使い勝手が良いと思っており、エスエ-サポートでは、これまでに2件、家族信託のお手伝いをさせていただきました。
家族信託は、読んで字のごとく、「家族の誰かを信じて託す」制度です。
例えば、親が息子や娘に、あるいは配偶者などの家族に「自分が認知症になって、正常な判断ができなくなったときには、この住まいを売却して、介護施設の支払いに充当してほしい」と、信じて託しておくことができます。
他にも「銀行口座の預金は、老人ホームの支払いや介護費用に充ててほしい」と、不動産だけでなく金銭に関する信託も可能です。株式や債権、仮想通貨、会員権などの売却や運用などなど、幅広く、しかも家族なので比較的気軽に託すことができる制度です。
※ただし、専門知識が必要になりますので、専門家に相談しながら進めてください
<アドバイス>
これから、老人ホーム探しをはじめる方へ
親が認知症になったときの事は、親が元気なうちに話し合いをして、必要な準備をしておきましょう!
専門家の知り合いがいない方、不安な方は、気軽にエスエ-サポートまでご相談ください
信頼できる専門家におつなぎします → https://e8yes.net/info