高齢者に有効なリハビリには、以下のような種類があります。
身体機能トレーニング
・筋力トレーニング:筋肉を強化することで、転倒予防や日常生活の維持に役立ちます。
・バランストレーニング:転倒を防止するためのトレーニングで、シンプルなものからスポーツ的なものまで様々な種類があります。
・歩行訓練:正しい歩行を維持することで、日常生活の維持に役立ちます。
認知機能トレーニング
・記憶力のトレーニング:認知症の予防に役立ちます。
・認知リハビリ:言葉の理解や判断力を維持するためのトレーニングです。
心肺機能トレーニング
・有酸素運動:心肺機能を維持するためのトレーニングです。
日常生活スキルトレーニング
・自己介護能力のトレーニング:入浴、食事、着替えなどの日常生活を維持するためのトレーニングです。
・コミュニケーションスキルトレーニング:社会的な生活を維持するためのトレーニングです。
これらのリハビリは、高齢者が身体的、認知的、社会的に健康的で自立的な生活を送るために必要な能力を回復または維持することを目的としています。リハビリテーションは、専門家によって実施され、高齢者の個々の状態や目標に合わせてカスタマイズされます。
生活リハビリって何でしょうか?
老人ホームに入居すると、「生活リハビリ」ということばを耳にします。どんなリハビリなのでしょうか?
生活リハビリは、スポーツジムで見られる筋力マシンを使ったリハビリではありません。ちなみに筋力マシンによるリハビリは、身体機能の回復や向上を目的として行われるリハビリテーションの一種です。筋力マシンは、特定の筋肉群を集中的にトレーニングすることができ、筋力の増強や改善、運動能力の向上に効果的であるとされています。
一方、生活リハビリは、高齢者や障がい者が日常生活を維持するために必要な能力を回復または維持することを目的としたリハビリテーションの一種であり、身体機能の回復や向上のためのプログラムに筋力マシンが含まれることがありますが、それだけではありません。
生活リハビリは、身体機能の回復や向上のみならず、自己介護能力の向上や社会参加の促進など、より広い範囲でのリハビリテーションを行うことを目的としています。例えば、食事や入浴などの自己介護能力の向上や、趣味やレクリエーション、コミュニケーションスキルの向上など、身体機能だけでなく、日常生活全般の質を向上させることを目指しています。
具体的には、身体機能の回復や向上のために、歩行や移動、バランスの練習、筋力トレーニングなどが行われます。また、自己介護能力の向上のために、入浴や着替え、食事などの自己介護のトレーニングが行われます。さらに、社会参加の促進のために、趣味やレクリエーション、コミュニケーションスキルの向上などが行われます。
トイレに伝い歩きで、ひとりで歩いていく。食事を箸やスプーンで、介助なしで食べる。洗濯ものをたたむ。など、身近な行為が、認知症の予防になったり、残存機能を維持することに役立ちます。スタッフが手を出さずに、一見ほったらかしにしているように見えるかもしれませんが、あのような様子も入居者のためのリハビリの一種なのです。ひとりでできることは、手を出さずにじっと見守ることも生活リハビリの一種なのです。これなら、家庭でもできますね。