相談事例
高齢の祖母が生活している住まいは段差があったり、手すりが無かったりで、危険です。福祉住環境コーディネーターに、どんな相談をしたらよいですか?具体的にどのように相談したらよいかを、教えてください。
私は、福祉住環境コーディネーターとして、多くのお宅の住環境改善のお手伝いしてきました。今回は、福祉住環境コーディネーターに相談する場合に、どんなことを依頼すればよいのか?私の経験をもとにお伝えします。なるべく具体的な内容を伝えるようにしましょう。
- 祖母の住まいの現状
祖母が住んでいる住まいについて、どのような段差や手すりがない箇所があるか、具体的にお話しましょう。また、その住まいについて、祖母が日常生活で何かしらの困りごとを感じているかどうかを確認しておきましょう。
- 改善の必要性
祖母が住んでいる住まいが、彼女の年齢や健康状態を考慮すると、危険な状態であることを伝えましょう。また、今後も祖母がその住まいで暮らし続ける場合、どのような改善が必要とされるかを明確にしておくことが大切です。
- 相談者の希望
相談者が何を望んでいるかを伝えましょう。改善のためにどのような支援が必要か、そしてどのような解決策を望んでいるかを明確にすることが重要です。
これらの内容をもとに、福祉住環境コーディネーターは、祖母が住む住まいの改善に向けて具体的なアドバイスや支援を提供してくれます。また、祖母の現在の状況や将来のことを考慮し、最適な改善策を提案してくれるでしょう。
高齢者が生活する住まいの改修工事には、身体状況や住まい環境により違いますが、さまざまなことが考えられます。
具体的な工事事例をいくつか紹介します
- スロープの設置
高齢者が車椅子や歩行器を利用している場合、住宅の玄関に段差があると出入りが困難になる場合があります。このような場合、スロープの設置を検討します。スロープは、段差をなくして階段を利用することができるようにするためのモノです。住宅の玄関だけでなく、トイレ、浴室などに設置することもできますし、建物の外側(アプローチ部)に設置することもあります。
- 手すりの設置
高齢者が住む住宅には、手すりを設置することが大切です。手すりは、段差のある玄関や階段、廊下、バスルーム、トイレなどさまざまで、必要だと思われる箇所に必要な分設置できます。高齢者が手すりを利用することで、歩行の安定性が向上し、転倒などの事故を防止することが期待されます。手すりは、木材のモノや、握りやすく加工されたプラスチックなどの材料のものがほとんどです。
- 床面の改修
高齢者が住む住宅の床面は、段差が少なく、滑りにくくなっていることが理想です。床面の改修には、畳からフローリングへの変更や、滑りにくいタイルやクッションフロアの敷き直しが挙げられます。さらに、車椅子の利用者には、車いす用の床材や車いす用の巾木なども用意されています。。
- 防犯対策
近年、高齢者が住む住宅には、防犯対策も考えておきたいところです。ドアの鍵の取り替えや、カメラ付きドアホンの設置、外部からの侵入を防ぐためのセキュリティカメラやセキュリティーサービスの利用、設置などが考えられます。
- バリアフリーのトイレや浴室の設置
高齢者が住む住宅には、バリアフリー対応のトイレや浴室の設置も検討が必要です。トイレや浴室には、スロープの設置、シャワーチェアや手すりの設置などができると安心です。特に浴室については、高齢者が入浴するためには、床面の滑り止め、身体状況によっては浴槽を取り替えなければ入浴できない場合もあります。ただ、浴室などの水回りの工事は、費用が高額になることが多いため、デイサービスに行って、入浴サービスを受けることや、訪問入浴などの介護保険サービスを利用することも考えると良いでしょう。
- エレベーターの設置
高齢者が住む住宅には、エレベーターの設置が必要な場合があります。個人住宅のようの小さなエレベーターも設置工事ができる場合があります。エレベーターは建物の外側設置されることもありえます。いずれにしても大掛かりな工事になるため、事前に相談してみましょう。
- キッチンの改修
高齢者が住む住宅には、キッチンの改修工事も考えられます。キッチンは、高齢者が調理する場所であるため、調理台の高さやスペース、キッチン家電の設置位置などに配慮する必要があります。また、火災の危険性を減らすために、ガスコンロからIHクッキングヒーターに変更することもオススメの方法です。
以上、高齢者が住む住宅の改修工事の具体的な事例を紹介しました。エスエ-サポ-トは、これらの改修工事について相談を受け、必要な改修工事を提案することができます。改修工事にはコストがかかるため、相談者の予算や改修工事の優先順位などを考慮した上で、最適な方法を一緒に考えていきましょう。